駅前の高校で「文化祭やってます!」という看板を見かけた。
ふと足が止まる。
今日は予定がない。
誰かと来るわけじゃないけど、「ちょっと寄ってみようかな」と思った。
一人で文化祭、入り口でちょっとビビる。
校門のところで受付の高校生に「一般の方ですか?」って聞かれた。
「はい…」と答えながら、少し心の中で動揺してた。
まわりはグループばかり。
友達同士、カップル、親子連れ。
「この中に一人で入っていくのか」と思ったけど、
それでも進んだ。
教室から音楽、廊下には焼きそばの香り。
どこか懐かしい空気だった。
たこ焼き、クレープ、謎のカレーうどん。
うるさいけど、楽しそうな声。
中庭のベンチで一人クレープを食べながら、
「この感じ、学生時代に戻ったみたいだな」って思った。
誰にも気を使わないって、めちゃ楽。
「どこ回る?」「お化け屋敷は?」「そっちは並んでるし…」
そんなやりとり、いっさいない。
自由に、気になる教室に入って、気になった展示を見て、
疲れたらベンチでひと休み。
誰とも話さなくても、
この空気の中にいるだけで、ちょっと心が満たされた。
一人文化祭って、わるくない。
確かに、一人でいることにちょっと寂しさもあった。
でも、それ以上に「自由に楽しめた」ことのほうが大きい。
帰り道、ちょっとだけ若返った気がした。
また来年も、行ってみようかな。
誰かと来てもいいし、
一人でも、また来てもいい。
思い出って、誰と行くかも大事だけど、
「自分がどう感じたか」の方が、実は強く残る気がした。