京都駅から徒歩10分。
観光客が流れ込むエリアの裏通りに、小さなお好み焼き屋があった。
「カウンター席あります」
その一言に背中を押され、暖簾をくぐる。
「何名様ですか?」に、もうビビらない。
「一人です」って言うと、
「あ、どうぞこちらへ」ってカウンター席に通してくれる。
目の前の鉄板、専用空間。
ソースとマヨネーズが並ぶ景色。
これだけでテンションが上がる。
一人で焼く、関西スタイル。
大阪では、お好み焼きを自分で焼くスタイルも多い。
関西出身ではない自分にとっては、
最初はそれが少しプレッシャーだった。
でも、カウンター越しに店員さんが焼き方をさりげなく教えてくれる。
「キャベツは平らにね」
「豚肉はちょっと押さえてから裏返すとええよ」
関西弁の柔らかさが、鉄板越しの緊張を溶かしてくれる。
ひとりお好み焼きの魅力
自分のペースで焼ける。
焦がさないように、でも焼きすぎないように。
まるで、料理と対話してる感じ。
焼けたら小さなヘラで切り分けて、口に運ぶ。
…うまい。
誰かと話しながら食べるのもいいけど、
一人でじっくり味わうのって、やっぱり贅沢だと思う。
周りは気にしてない
隣のカップルも、奥のグループも、
誰もこっちを見てない。
「ひとりお好み焼きって浮くかな」って最初は思ってたけど、
関西の空気は案外そんなこと気にしない。
むしろ、おっちゃんが「それ何焼き?うまそうやな〜」って話しかけてくれた。
また来よう、関西の鉄板に。
お会計を済ませて、
店を出るころには、
鉄板の熱さがじんわりと背中に残ってる。
それが、なんか嬉しかった。
次はネギ焼きにしようかな。