髪が薄くなってきたと気づいたのは、スマホの自撮り。
光の加減のせいだと思いたかったけど、
洗面台の鏡はいつも正直だ。
そんな自分にちょっと喝を入れたくなって、
週末、ふらっと温泉に行ってきた。
ひとりで、頭皮ケアの旅。
温泉は、ひとりで行くのがちょうどいい。
誰にも気を遣わず、静かに湯に浸かる。
ぼんやりと景色を眺めながら、心も体もほぐれていく。
ただ、露天風呂に入るとき、
無意識に前髪を下ろしてしまう自分がいた。
“濡れるから意味ないのに”と思いながらも、
なんとなく守りたくなるのが、薄毛あるあるだ。
目的は、温泉ではなく「湯と頭皮の関係性」だった。
今回の温泉は「炭酸水素塩泉」。
調べてみると、皮脂や汚れをやさしく洗い流してくれる効能があるらしい。
さらに、地元産の「育毛シャンプー」も売っていた。
試しに使ってみた。
いつもよりちょっと丁寧に、指の腹で頭皮をマッサージする。
「生えてこい、生えてこい」と念じながら、
自分でも笑いそうになるような真剣さだった。
湯上がり、鏡の前で思った。
正直、髪が増えた気はしない。
でも、頭皮はすごくすっきりしていて、
なにより「ケアしたぞ」という満足感があった。
髪がどうこうより、
“自分をちゃんと扱ってあげた”という実感が、なによりの成果かもしれない。
ひとり温泉は、心と頭皮に効く。
周りを気にせず、ひとりでのんびり。
鏡の前で自分と向き合いながら、
「こういう時間、大事だな」って思えた。
日々のストレスも、血行も、
少しずつ整えていくような、そんな湯の時間だった。
結論:温泉で薄毛は治らない、でも“前向き”にはなれる。
頭皮にいいお湯を選んで、マッサージして、
ちゃんとケアしている自分が、ちょっと好きになれた気がする。
そして何より――
「温泉×薄毛改善」という新たな週末の趣味を見つけたのが、大きな収穫かもしれない。