ひとり暮らしをはじめて、気づいたことがある。
それは、「孤独」と「自由」は、紙一重であるということ。
朝、目覚ましの音に誰も反応しない。
「おはよう」と言っても、返事はない。
カーテンを開けたときの静けさに、一瞬だけ胸がざわつく。
でも、そこで一息ついて思う。
この部屋の空気は、自分だけのもの。
カーテンを開けるタイミングも、朝ごはんを食べるかどうかも、全部、自分で決められる。
ひとりで過ごす時間には、誰かに気を使うことも、ペースを合わせることもない。
その代わり、自分の“機嫌”をとるのは、自分の役目になる。
冷蔵庫の中に、昨日のコンビニ弁当の残り。
洗濯物は、干したまま時間が止まってる。
シンクに溜まった食器を見て、「ま、あとでいいか」と笑う自分もいる。
ひとりだからこそ、だらしない部分も、ちゃんと向き合う必要がある。
だけどそれって、きっと「自分を知る」ってことなんだと思う。
週末、ふと思い立って一人でカフェへ行った。
ノートとペンだけを持って、静かな席に座る。
誰かと話さなくても、コーヒーの香りと、通りすぎる人の気配が、ほんのり心をあたためてくれる。
「ひとりって、悪くないな」と思えた瞬間だった。
たぶん、誰かと一緒に暮らしていたときは、
こんな風に、自分の気持ちや心の動きに耳を傾けることって、少なかったのかもしれない。
「誰かと過ごす時間」が大切なように、
「ひとりで過ごす時間」も、ちゃんと大切にしたい。
くらすし、ひとり。
まだ完璧にはなれないし、寂しさを感じる日もある。
だけどこの静けさの中で、自分自身と向き合っている時間が、今の私にはとても貴重だ。
ひとりでいることは、決して“負け”じゃない。
むしろ、“自由”と“成長”をくれる、特別なかたちなのかもしれない。