特に目的地も決めずに、
気づいたら2時間も歩いてた。
スマホはポケットに入れたまま。
音楽も聴かず、
ただ、自分の足音と景色だけを連れて。
考えごとをしてたはずなのに、
途中から、何も考えなくなってた。
最初は、仕事のこととか、
誰かに言われた一言とか、
“最近の自分ってどうなんだろう”みたいなことを考えてた。
でも、1時間くらい歩いてたら、
そういうのがぜんぶ、
景色の向こうに流れていった。
考えごとって、歩いてるうちに“薄くなる”んだ。
あんなに頭にこびりついてた不安が、
歩いてるうちに、ちょっとだけ軽くなる。
道に咲いてた花とか、
たまたま目が合った猫とか、
信号待ちのときに風が吹いたこととか。
ぜんぶ、「今ここにいる」って教えてくれた。
2時間って、けっこうな時間。
でも、散歩なら気づかないうちに過ぎてる。
歩いてるだけで、
“自分を整えるスイッチ”が自然に入るんだと思った。
たった2時間。だけど、たったそれだけで、
心の中がちょっとだけ片付いた。
散歩ってすごいな。
誰にも頼らなくても、
ちゃんと自分で元気を取り戻せる手段なんだなって思った。