“港区”って、響きだけでちょっと特別な感じがする。
タワマン、芸能人、有栖川公園、麻布十番、おしゃれなカフェ……
なんか、毎日がキラキラしてそうな街。
でも、実際にこの街で一人暮らしを始めてみると、
見えてくるのは「光」だけじゃなかった。
引っ越し初日、まず現実を叩きつけられる。
住み始めたのは田町寄りのワンルーム。
築15年、バストイレ別、6.8帖。
駅から徒歩7分、オートロックあり。
…家賃、11万2千円(共益費込)。
「家賃、高っ!!」って、口に出るレベル。
ただ、これでも港区では“比較的安め”だって聞いて、自分の金銭感覚がバグる。
内見した瞬間、「狭いな」と思ったけど、
立地と環境で妥協した。というより、“港区に住む”という響きに憧れた。
日常は便利。だけど「港区」価格。
コンビニは徒歩1分。
ジムもすぐ近く、スタバもローソンもある。
歩いて5分のところに深夜2時までやってるスーパーも。
一見、便利で文句なし。
でも──
・スーパーで買った納豆:税込168円
・アイスコーヒー:いつの間にか500円
・ランチ平均:1100〜1300円
「なんでこんなに高いの?」
って日常的に思う。
コンビニご飯が当たり前になって、気づけば月の食費が4万円を超えてた。
人間関係は、基本「無」
港区の一人暮らしは、とにかく“自分の世界”。
隣人の顔を見たこともない。
マンション内で挨拶しても、スッと通り過ぎる。
悪いわけじゃない。
ただ、たまにちょっと、無音すぎて寂しくなる。
でも、夜の空気はすごく好きだ。
夜10時、仕事を終えて帰宅。
自転車でレインボーブリッジの下を通るとき、
風がすっと肌に触れる。
誰もいない港の遊歩道。
遠くに東京タワーがオレンジに光っていて、
「ああ、港区で生きてるんだな」って、ちょっと誇らしくなる。
港区で一人暮らしすると、身の丈を知る。
「憧れ」だけで住むには、出費がでかい。
家賃、食費、交際費、カフェ代……全部ちょっとずつ高い。
気を抜くと、月末は財布が寒くなる。
でも、港区に住むようになって、
自分の暮らしに対する“解像度”が上がった気がする。
「本当に必要なもの」
「無理して買ってたもの」
「背伸びしない快適さ」
そういうことを、ひとつずつ知っていく日々。
結論:港区の一人暮らし、向く人と向かない人がいる。
たぶん、港区は「生活を楽しめる人」に向いてる街。
便利さと静けさと華やかさが入り混じってる。
でも、“見栄”だけで住むと、メンタルも財布もきつい。
一人でちゃんと自分を持ってる人なら、
港区の空気はきっと味方になってくれる。