特に誰と約束してたわけでもない。
「行ってみたいな」と思った大学の文化祭があって、
そのまま一人で、ふらっと行ってきた。
最初はちょっとだけ気が引けた。
まわりはグループでワイワイしてるし、
「え、あの人一人じゃん」って思われないかな…なんて。
でも、入口でパンフレットをもらった瞬間、
そんな気持ちはどこかに吹き飛んだ。
模擬店のにおい、音楽、にぎやかな声。
一人で歩いていても、不思議と退屈しなかった。
むしろ、誰かといると気づけなかったかもしれない空気感を、
じっくり感じることができた。
からあげと焼きそばの匂いにお腹が鳴って、
一人で並んで、買って、端っこで食べた。
正直、ちょっと照れくさかったけど、
それ以上に「来てよかったな」って思えた。
ステージ発表で、心が動いた
とある軽音サークルの演奏を見ていたとき、
知らないバンドが、なぜか心に刺さる曲をやってて、
座って聴いてるうちにちょっとだけ目頭が熱くなった。
「若さって、まっすぐで、いいな」って思った。
誰とも話してないけど、
ちゃんと“参加してる”って感覚があった。
帰り道、パンフレットをもう一度開いた。
あとから見ると、回れなかったブースもたくさんあって、
「あ、ここも見たかったな」とか思いながら、
コンビニで買ったコーヒーを片手に歩いた帰り道。
静かな帰り道の中、
自分の中で何かが少し変わった気がした。
一人で文化祭、意外とよかった。
気を使わなくていいし、
見たいものだけを、自分のタイミングで見られる。
一人だからこそ、周りの空気も、匂いも、音も、ちゃんと届いてくる。
「ちょっとだけ勇気が必要な一人行動」って、
終わってみると案外、心の栄養になってたりするんだよな。
またどこかの文化祭、ふらっと行ってみたい。
次は学園ドラマに出てきそうな学校とか、
演劇サークルの舞台とか、もっとディープに回ってみたい。
一人で、ゆっくり、自由に。
そういう文化祭の楽しみ方も、アリだと思う。