一人で公園で勉強してた、一浪の春。

投稿者: | 2025年4月16日

周りは新生活が始まっていた。
桜は満開。
駅にはピカピカのスーツ。
SNSは「入学しました」「入社しました」でいっぱい。

僕はというと、公園のベンチでひとり。
文庫本と赤本と、薄めの参考書をテーブルに広げていた。

なぜ公園かって?
自宅だとダラける。
予備校の自習室は今日は混んでた。
カフェはなんか気が散る。

公園なら、誰にも何も言われない。
風の音と、たまに聞こえる子供の笑い声だけ。

この静けさがちょうどいい。

一浪って、変なポジションだ。
現役生でもない、社会人でもない。
中途半端で、何かに取り残された気がする。

でも今日の自分には、昨日の自分よりも強さがある。
知らなかった単語を覚えた。
1問解けなかった問題が解けた。
それって、昨日より前に進んでるってことだ。

それだけで、今日はOK。

公園で勉強してると、いろんな人が通り過ぎる。
犬の散歩をしてるおばあちゃん。
ベンチでアイス食べてる高校生カップル。
保育園のお迎えにきた若いママ。

「俺、何してんだろ」って一瞬だけ思う。
でも、そんな自分をちょっと誇らしく思ってる。

誰かと比べない場所で、
誰にも見られてない時間を、
一人で過ごすって、
すごく、自分に向き合ってる気がする。

また明日も、同じ場所でやるつもり。
春の終わりには、
少しは成長した自分でいたいから。

来年の春は、
「一浪だったけど、あの時間があったから今がある」って言いたい。

★★★☆☆ (3 / 5)

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