一人うどん、部屋。

投稿者: | 2025年4月16日

夜、冷蔵庫の奥にあったうどん玉を見つけた。
今日の夕飯、どうしようかと思ってたところに、
なんともありがたい存在感でこちらを見ていた。

冷蔵庫の野菜室には、ネギと卵。
あ、これだけで十分かもしれないな。
出汁は白だしをお湯で割って、鍋でゆっくりあたためる。

湯気が立ち上がる部屋の中、テレビも音楽もつけずに、
ただお湯がぐらぐらする音だけが、静かに響いてた。

料理、というほどでもないけど
うどんを茹でて、卵を落として、
刻んだネギをぱらりとのせたら、
それだけで「なんとなくいい感じ」の一杯が完成した。

器を抱えて、こたつの上にそっと置く。
なんてことない夜の、ひとりごはん。
でもこういうのが、一番ほっとするんだよなって思う。

ずずっ、と一口。
あったかい出汁が、喉を通って、
じんわりとお腹の奥に広がっていく。

「はぁ……」と小さく声が漏れた。
仕事の疲れも、なんとなくの寂しさも、
この一杯で少しだけ癒されていく感じがした。

一人って、時々しんどいけど、
こうして自分で作ったごはんを食べてると、
「ちゃんと生きてるな」って思える。

誰のためでもない、うどん。
盛り付けも、彩りも、誰かに見せるわけじゃない。
でも、自分のために丁寧に作って、丁寧に食べる。
それだけで、心のバランスがちょっと整う気がした。

部屋の明かりは少し暗めにして、
うどんを食べ終わったあと、ぬるくなったお茶を飲む。
それが、なんだかすごく心地よかった。

一人うどん、部屋。
なんでもない日常。
でも、こういう時間があるから、
また明日も頑張れる気がする。

★★★☆☆ (3 / 5)

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